子供の予防接種で定期・任意のワクチンの種類と医療費控除は?
2017/02/22
お母様たちは自分のことより、子供のことが心配でなりませんよね。まず、お母様が健康であることが一番です。ご自身を大切にしてください。
子供がかかりやすい病気の中で、もっとも多いのが感染症です。感染症の中にはかぜ程度のもから、重症化し場合によっては命にかかわるようなこわいものまでたくさんあります。かかると大変なことになる感染症から子供を守るためにもっとも有効な手段は、予防接種をすることです。その効果は、予防接種によって感染症で亡くなる子供の数が驚異的に減少したことからも証明されています。予防接種について定期・任意それぞれありますが症状など参考にしてください。
子供の予防接種で定期接種の一覧
DTP三種混合ワクチン(ジフテリア・百日せき・破傷風)
ジフテリアは、のどの痛みやせき、おう吐などのあとに、呼吸困難、心臓障害や神経まひを起こして死亡することがある病気。
百日せきは、赤ちゃんがかかると、激しいせきのために呼吸困難になったり、肺炎や脳症を合併することもあります。お母さんの免疫が弱いので、生まれてすぐの赤ちゃんでもかかることがあります。
破傷風は、傷口から破傷風菌が侵入し発病し、筋肉まひをおこしたり、けいれんから死亡することもあります。
BCGワクチン(結核)
乳幼児期にかかると髄膜炎を起こすことが多く、後遺症が残ったり死亡することもある病気。
ポリオワクチン(ポリオ)
かぜに似た症状が続いたあと、手足のまひが残ることから小児まひと呼ばれています。
MR混合ワクチン(麻しん(M)・風しん(R))
麻しんは高熱・せき・鼻水といったかぜ症状からはじまり、その後高熱のまま発しんが出ます。感染力が強く肺炎・脳炎を合併しやすいため大変怖い病気です。
風しんは、三日ばしかともいうように、麻しんの症状に似ていますが3日位でおさまります。また、妊娠初期にかかると胎児に影響をあたえ、先天性風しん症候群をおこすことがあります。
日本脳炎ワクチン(日本脳炎)
日本脳炎ウイルスを持っている豚をさした蚊(コガタアカイエカ)がヒトを刺して感染する重症脳炎です。脳炎になると、15%が死亡し、回復しても約半数が運動機能や知能に後遺症を残します。
子供の予防接種で任意接種の一覧
Hibワクチン(インフルエンザ菌b型(Hib))
はじめは風邪の症状で始まり、脳やのどの奥(咽頭)、肺、関節などに炎症を起こさせます。細菌性髄膜炎、急性咽頭蓋炎、肺炎などをおこすことがあります。細菌性髄膜炎にかかる子の半分以上がHibによるものだといわれています。後遺症が残ったり死亡する怖い病気です。Hibとインフルエンザの関係はありません。Hibの薬剤耐性菌が増加しており、問題になっています。
肺炎球菌ワクチン(肺炎球菌)
特に2歳以下の子供が感染すると、細菌性髄膜炎や菌血症、重い中耳炎などをおこすこともあります。菌血症から細菌性髄膜炎になることもあれば、関節炎などほかの病気になることもあります。初期症状は発熱だけで、Hibと同じくかぜと区別がつきにくいので、注意が必要です。後遺症が残ったり、死亡することもある怖い病気です。肺炎球菌も薬剤耐性菌が増えていることが問題です。
B型ワクチン(B型肝炎)
お母さんがB型肝炎ウイルスのキャリア(保菌者)であれば、生まれてくる赤ちゃんに感染する可能性があります。感染すると子供の時期に肝臓の障害が出たり、将来、肝硬変などの重い病気を起こすことがあります。お母さんがキャリアの場合は健康保険適用の接種となります。
水痘ワクチン(水ぼうそう)
発熱に前後して小さなみずぶくれが全身に出ます。かゆみが強くあとが残ることもあります。せきやくしゃみによる飛沫感染、水疱から出てきたウイルスにふれる接触感染でうつり、感染力がつよいので、保育園や幼稚園などでの集団感染が多くみられます。
おたふくかぜワクチン
流行性耳下膜炎ともいわれ、耳下腺(耳の下にあるだ液を出す腺)がはれて痛みます。合併症として高熱やけいれんを伴う無菌性髄膜炎をおこすことがあります。約1000人に1人が難聴になることが知られています。
インフルエンザワクチン(インフルエンザ)
主に冬に流行し、まず高熱が出て、鼻水、せき、関節の痛み、頭痛などの症状が急におこります。熱が4~5日続き、合併症として気管支炎、肺炎などの呼吸器の病気だけでなく、急性脳症をおこすこともあり、死亡したり脳障害の後遺症が残る場合もあります。
ロタウイルスワクチン(ロタウイルス)
水のような下痢が1日に何回も出ます。便が白くなることも多いので白色便性下痢症といわれることもあります。激しいおう吐や発熱、脱水症、けいれんを起こすなど重症化して入院する子も多くいます。まれに脳炎や脳症を起こすこともあります。こちらも感染力がつよいので、保育園や幼稚園などでの集団感染が多くみられます。
ヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸がん)
成人女性がかかる子宮がんの一種。近年、特に20~30歳代の若い女性の発症が増えています。子宮頸がんのほとんどはヒトパピローマウイルス感染が関係していることがわかり、ワクチン接種によって一部の子宮頸がんの発症を防ぐことができるようになりました。
子供の予防接種での医療費控除は?
基本的に予防接種では、医療費控除として認められていません。医師が治療に必要不可欠と判断すれば認められる可能性はあります。国税庁のホームページを参照してください。https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/05/38.htm
まとめ
原因となるウイルスや細菌が存在する限り病気にかかる可能性はあります。予防接種で防げる病気は防いであげましょう。